日本美容外科学会2024、終わりました、、、!
今回は2演題、発表がありました。美容皮膚科学会が終わったばかりだったけど、、、!やるしかない。笑
今回の発表を助けてくださった岡田先生、池田先生、スタッフの皆様はじめ、無理言ってご協力いただいた放射線科の先生、データを提供していただいた患者様、たくさんの方に支えていただき、無事に終わりました、、、涙!
この場を借りて陳謝いたします。
今回、他院でのフィラー後の血管塞栓をテーマに発表しました。
発表内容から抜粋します。
なにごとにも絶対大丈夫、なんてことはないので、トラブル発生時こそ、どうやって対処、対応してゆくのか医師としての経験や倫理観が試されていると思ってます。
そんなときにどうやって患者さんとの信頼関係を築いたらよいのか?という話は、長年、スタッフとも同僚のドクターたちともあーでもないこーでもないと話してきてました。
(スライドの二次利用はご遠慮ください。違法行為にあたります。)
なかでもこちらの症例は、いまの美容医療の問題点が満載!
非常に考えさせられました。
無料通話アプリの激安ヒアルロン酸キャンペーンの広告につられて、某美容外科を受診。
カウンセラーさんに連れられ、個室で軟禁状態でクロージングがはじまる。
「脱毛のクールを組んだら、ヒアルロン酸が無料でついてくる!」とおすすめされ、契約。
ヒアルロン酸を注入され、直後は施術中はこれといったことはなく、内出血がでた程度のようでした。
しかし、帰宅後から複視、気分不快、閃輝暗点(目がチカチカする)などの症状がでてきます。
次の日には右頬の皮膚は変色、複視も以前続きます。
某美容外科を受診しても、
「自分たちの施術とは無関係だ!」と断言されます。
強い不信感を抱くことになります。
紹介状なども作成なく、提携する病院もなかったそうです。
眼科を受診しようにも、検索してでてくる自費の視力矯正などのクリニックばかりで、なかなか、目的とする眼科に受診できません。
視野検査では右下斜筋の異常を認めます。
ご自身で探して受診した大学病院形成外科でも、自費の他院トラブルなので受け入れてもらえず。
ここで 患者さん、激怒!
そりゃトラブルにもなりますよ。
結局、某美容外科側も歩み寄り、施術後三日目にやっとヒアルロニダーゼを注射し、画像検査へ。
このあとは徐々に潰瘍となった皮膚部分は上皮化していきます。
某美容外科より、塗り薬などの処方もなかったのでご自身で購入して塗っていたそうです。
もちろん脱毛のクールは解約してくれたそうです。笑
(※いままでブログにスライド画像を掲載しておりましたが、原稿執筆依頼がありましたので、
いろいろな事情で現在、ブログ上には掲載しておりません。
貴重な症例画像だったので、皆様にも共有していただきたい気持ちもありましたが、雑誌掲載された折には報告いたします。)
複視は半年くらい続いていたそうですが、仕事が多忙のため、某美容外科への受診はすぐに途絶えてしまいます。
(患者さんよりヒアリングした内容を抜粋)
一年経過し、瘢痕を残す状態となっていますが、、、裁判にはなりませんでしたが、後遺症障害として、補償を求める動きがあり、やはり某美容外科とトラブルになりました。
(もういま現在は担当された医師も分院長も退職されたようですね。)
さて、ここまでお読みになっていただいて、
え?!それってまずいよね?!
という部分、たくさんありましたね?!
最後にまとめなければならないので、患者さん、その家族とのコミュケーションをとるやり方、というものをみつけてきました。
がん患者の方とのコミュニケーションをとるのにつかわれる手法で、本来はがん治療にあたる看護師さんむけのツールだそうです。
こういった手法をとりいれていれると 他者との信頼関係を築くのに有用かな、と
スライドはおわりでした。
これは他人事ではない問題で、この国が抱えている病巣のひとつだとおもいますし、もちろん、フィラー後の合併症は、どんなドクターでも患者さんでも、誰でも起こりえます。
今回学んだことを明日へ活かせるようにしたいです。