先日 大阪で形成外科学会が開催されました。
なんと今回で60回目!!
なにせ お題は 形成外科の還暦を祭る・・!!!(笑)です。
60年か~・・・
内科や外科、産婦人科などはきっと江戸時代以前から存在していたでしょうし、
外傷や熱傷は太古の昔から存在していたのでしょうが・・・
きちんとした学問の分野として産声を上げてまだ60年。
そういえば・・・・教科書にでてくるような、自分の名前を術式に冠するくらい
高名なドクターたちもまだご存命だったりするんですよね!
そう考えるとまだまだ これから形成外科は発展してゆく分野なんだろうな~。
さて 今回もしつこ~~~~く演題を出してみましたよ~~ふふふ
当院でも扱っているベビーコラーゲン(Ⅲ型コラーゲン製剤)は本邦で発売になって
まだ数年です。
(特にこの2,3年で急速に普及してきた印象ですね)
もともとベビーコラーゲンはアメリカで開発され,ヒトの胎盤より精製された製剤です。
開発者のHarrel先生です↓
臨床実験などは済んでいるものの全米で販売・流通する前に日本に上陸してきている
ため 安全性に関してはまだまだ未知数の部分がある製剤でした。
「ぶっちゃけたところ・・・・ほんとに大丈夫なの???その製剤!?」
という洗礼は
歴史の浅い製剤や薬物に対してつきものです。
かくして 当院でも被験者さんの目の下のシワに ベビーコラーゲンを注入してみて、
その後、経過を追ってフォローし 組織検体も採取して調査をして
みる、ということをやってみてみました・・・!!!
その内容を学会で随時 報告しています。
(美容の世界はあまりに流行のサイクルがはやすぎて、
吟味されることなく普及してゆく施術が多くて・・・・
ときにはこうして ふと立ち止まって 新しいものに向かい合うのも重要なんじゃないかな~・・と思ってます。)
そんな 発表の内容をかいつまんでみますね~!
被験者さんの右目の下です。深く刻まれる格子状のシワやその周囲にも
細かくシワがありますね。
ここにベビーコラーゲンを注入した直後です。
やや赤く見えていますが シワ部分はフラットになっており
この肌なじみの良さがコラーゲン製剤に特有の使い心地なのです。
特に目の周囲のような皮膚の薄い場所でこの効果を発揮します!
この注入部の皮膚組織を採取させてもらいまして・・・
注入から6ヶ月後と1年後とフォローさせてもらいました。
反対側の目の下には厚生労働省認可のヒアルロン酸製剤を同様に注入して
差を比べてます。
学会では
「健常な患者さんの体にメスを入れて組織を採取するなんて・・・!!!」
とある先生に絶句されました(笑)
美容領域では・・・なかなかできない所業です。
日本では協力してくださる方 普通いないです~~~涙。
結果として・・・
ベビーコラーゲン注入部もヒアルロン酸注入部も異物反応はなく、
注入後6ヶ月後も1年後も両方とも認められなかったです。
ベビーコラーゲンもヒアルロン酸も 注入部を比較しましたが
採取した組織に差はなかったという結果でした。
↑ベビーコラーゲン注入後1年経過した検体です。
(マニアックな世界になるので・・・ 参考までに。)
まとめると・・・
○現時点では ベビーコラーゲンで異物反応を認めていない。
ヒアルロン酸製剤も同じく異物反応は認められず。
○ベビーコラーゲンは浅いシワに、ヒアルロン酸製剤は
深いシワに、、、と、用途や適応となるものが違うので
両方使いこなすと良いでしょう
○ただ 今回のデータでは被験者1名の結果ですし、
今後も引き続きフォローしていかないといけませんね!
○そうして胎盤より精製されているということはプラセンタ同様に
血液製剤のひとつとして認識して患者さんに十分説明して
行いましょう、、、、
○あくまで現時点ではヒアルロン酸製剤と同様の安全性と認識して使って良いのかなと
思っています。
他にも 大学の教室に以来して成分分析に出したりもしていますので
随時 新しいデータが出ましたら 学会などで報告していこう!と・・・
思っています~~~
ご協力いただいた 被験者様、バックアップしてくださる池田先生をはじめ
多くの先生方、スタッフのみんなに 大大大感謝です!!!!