皆さんはsunken eyeという言葉をご存じでしょうか?
直訳しますと凹んだ目です。
sunkenは「sink沈む」の過去分詞です。sink-過去形sank-過去分詞sunk,sunkenです。
このsunken eyeは、下記の写真のような上まぶたが凹んだ状態です。
よくありますよね。
この上まぶたの凹みが生じると、顔が疲れたり老けて見えます。
これはどうして起こるのでしょうか?
元々アジア人は欧米人と比べ上まぶたの脂肪がまつ毛の近くまで下がり、腫れぼったいまぶたをもっています。
しかし、加齢によりこの脂肪そのものが減少し、かつ奥へ移動してしまうので、上まぶたが引っ込んでいきます。
そして、骨の部位の下縁が溝としてくっきり現れ、凹みを呈します。
年をとると多くの人に生じますので、頻度は高いです。
どちらかというと痩せている方に多いです。
この脂肪減少は、涙袋の下にある目袋という脂肪が年とともに増えていくのとは対称的です。
重力の影響で人間色々なものが下がってくるのですね。
それでは、この凹みに治療はあるのでしょうか?
私は、ヒアルロン酸の注入をメインに行っています。
他の部位と同様ヒアルロン酸は体内からなくなりますので、効果は平均半年ですが、注入直後から効果を感じ、ほとんどの方が違和感なく受け入れられます。
硬いヒアルロン酸を入れると、目を閉じたときに凹凸が出る可能性があるので、柔らかいヒアルロン酸を慎重に使用しています。
目を閉じたときと開いたときのまぶたの凹みの変化をよく見るのが大事です。
注入しながら途中で目を開け閉めしてもらい、凹凸が出ていないか確認しています。
脂肪の減少がメインなので、脂肪があった部位にヒアルロン酸を注射するのが理論的にはよいのですが、そこは深いので、上まぶたの骨の下縁にうつのが大事です。
眼窩隔膜と呼ばれている層にうちます。
実際の手法としましては、下記の絵のように、先が丸い針である鈍針(カニューレ)を骨膜に当てながら注入します。
症状が軽微な方は、鈍針を使わないこともあります。
ヒアルロン酸の量ですが、片側0.05cc~0.2cc等少なめで開始するのがよいと思います。
料金は0.1cc1万円です。ですから、両まぶたを行っても料金は約2万円ほどです。
足らなければ後からでも足すことは可能です。
この治療のデメリットとも言えますが、この治療は、完全にこの凹みを消すという治療ではなく、凹みを和らげるというイメージです。
また、リスクとして2日間ほど注射刺し口の軽度発赤、稀に2週間の内出血、数週間の微妙な凹凸が出ることがありますが、自然になだらかになります。
(出典 『clinical anatomy of the face for filler and botulinum toxin injection』p106 Springer社)
メリットとしては、説明後手軽に受けられるということと、状態を見て後からヒアルロン差を追加したりヒアルロニダーゼで溶かしたりすることができることです。
ヒアルロン酸注入は、注入後の形が万が一気に入らなくても、ヒアルロニダーゼというリカバリーショットをうてるのがとても大きいです。
ですから気軽に受けられるのです。
上まぶたの凹み治療に興味をお持ちの方は、東京皮膚科形成外科日本橋院(03-6231-1555)、東京皮膚科形成外科銀座院(03-3545-8000)までお気軽にお問い合わせください。
質問だけでも結構です。
また、治療前後の写真をHPなどネット掲載や学術発表等でご協力いただけます方は、2~4割引の料金で施術させていただきます。ご希望の方は私奥野かスタッフに遠慮なくお声がけくださいませ。
Hyaluronic acid injection is effective aggainst a furrow below the eye.
It is called a sunken eye.