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顔のしわ・凹み改善 ヒアルロン酸・ボトックス注入セミナー(2017秋 アラガン社主催)

顔のしわ・凹み改善 ヒアルロン酸・ボトックス注入セミナー(2017秋 アラガン社主催)

· 奥野公成 · NEW, 学会・セミナー, 注入治療 · No Comments · Kosei Okuno

アラガン社が主催したヒアルロン酸注入のセミナーを虎ノ門ヒルズで先日受講しました。

当院でもよく使うジュビダームビスタボリューマXCの使用がメインテーマでした。

以前もブログで書いたMD-Codesというボトックス、ヒアルロン酸の注入法については今回大分復習になりました。

正直ボトックスとヒアルロン酸の両者を併用する注入治療は年々進歩しており、今ではかなり色々なことができます。

主にできることはシワの治療です。

このMD-Codesという注入法は、顔の老化機序を理解し、その老化機序を巻き戻すように自然に顔を若々しく美しく見せる注入法なのだと思います。

今回のセミナーの流れは、全顔のヒアルロン酸注入のゴールと注意点がまず述べられ、その後前もって解剖された遺体顔面の構造物を生中継のシンガポール会場から示し、セミナー会場の画面スライド解剖図譜と照らし合わせ、ヒアルロン酸注入の注意点が述べられました。

ヒアルロン酸注入の大きな流れは、「顔の上から、外から、深層から」がお勧めのようです。

また、美しい顔に必要なものは、1.肌状態 2.顔の形 3.左右対称性 4.バランス 5.光が均一に当たるかどうか などのようです。

5はシワによる影も含まれるのでしょう。

色素がつけられたヒアルロン酸が献体に注射器で実際に注入されたので、普段日常外来で注入しているヒアルロン酸が皮膚の下でどのようにどこまで広がっているのか実際に目で見て確認することができました。

インストラクターのドクターが現地で皮膚表面から一枚一枚の層をはがして分けていたので、普段自分がどの層にヒアルロン酸を注入しているのかのイメージが湧きました。

例えば、ボリューマを額の骨膜上にうっても、それを覆う筋肉の層には思った以上にボリューマは入ってないのだなと感じました。

眉間のしわを作る皺眉筋は二股に分かれているため、眉間のしわのバリエーションの一因となっているというのも初めて知りました。

眉の生えている部位と皺眉筋の位置関係も、体表から一層一層をめくっていくことでイメージしやすかったです。

両目の下にある眼窩下動静脈の出口(眼窩下孔)がヒアルロン酸注入時にやはり最も注意すべき部位のようです。

また、目を開きやすくしたり眉の下垂を和らげるE1という眉外側の注入ポイントは、実際には骨膜上ではなく、真皮深層につながる靱帯部分にジュビダームウルトラプラスをうつというのも勉強になりました。

自分の写真を見ると若い頃から段々と眉の外側が下がってきているので、よい適応なのかもしれません。

段々と両眉が村山元首相のようなハの字状に近づいているような気がします。何とか気合いで持ちこたえたいと思います。

 

今回のセミナーは所用があり全部聞けなかったのが残念でしたが、解剖献体と解剖シェーマを交えたインストラクターの講義はとても勉強になりました。

大学生時代の解剖学では、顔面の血管、神経、筋肉などまず気をつけてみることはないですから。

就職してから医者が再度解剖をすると、きっと患者さんの利益になる勉強ができるのではないかと思います。

さて、今回のメインテーマであるジュビダームビスタXCの最大の特徴は2年間という長い持続性であり、直後に思い描いた形を作りやすい「成形性」、水吸収膨張の少なさです。

最近は本当にこれの使用頻度が増えています。

台風の中でも全国から2百人以上の医者が集まっていたようであり、自分もまた明日から頑張らねばと、よい刺激を受けました。

 

基本はやはり目標の顔を目に焼き付けておくことでしょうか。