今回は涙袋のヒアルロン酸注入についてお話ししたいと思います。
当院(品川のイーストワン皮膚科形成外科、銀座の東京皮膚科形成外科)では、この涙袋ヒアルロン酸注入のファンが実はなぜかとても多いです。
涙袋は、表面から「皮膚 – 筋肉(眼輪筋) – 瞼板」の順で構成されている膨らみです。
下記の図は、まぶたを縦切りにした断面です。向かって左が眼球側、右が皮膚側(外側)です。
黄色く見えるのが脂肪、赤いのが眼輪筋、白い部分が、瞼板という密性の線維性結合組織(コラーゲン線維の塊)です。
ちなみに、瞼板は軟骨ではありません。
私どもが主に行っている涙袋形成は、この瞼板の前あたりにヒアルロン酸を注入していく方法です。
涙袋ヒアルロン酸を希望される患者さんには、涙袋ヒアルロン酸注入のデメリット、メリット双方を事前にしっかりお話ししています。
デメリットは、注入日に涙袋の何割かが泣きはらしたように赤っぽくなること、ときに刺し口に小さな内出血が出ること、意にそぐわない盛り上がりが後日出る可能性があること、完全な左右対称はないこと、効果が3~6ヶ月しかもたないことです。ときに1年くらいもつ方もいますが。
内出血は女性なら翌日からメイクで隠せますが、放っておいても2週間弱で黄色くなって目立たなくなります。
注入直後の刺し口の微妙な盛り上がりは放っておいても数日でなくなります。
日常生活では、寝ているときにまぶたをごろごろ圧迫するとヒアルロン酸が最初のあたりは動きやすいので、当日は仰向けで寝入ってもらえますとありがたいです。
また、内出血対策として、当日は血流がよくなること、すなわち運動、飲酒、熱い風呂、辛い食べ物なども控えてもらいたいです。
盛り上がりについては、僕は注入直後に綿棒で形をならしています。
下まぶたは皮膚が薄いのでヒアルロン酸でぼこぼこにならないようにすることと、眼窩下動静脈の枝を傷つけて内出血させないよう気をつけています。
メリットは、ヒアルロン酸だと形をコントロールしやすく、注入後にマッサージで形をならしたり、注射しながらその場その場で患者さんに鏡を見せ、ご希望の部位にご希望の量をうてることです。
また、時間がたつと元に戻るので手術よりも気楽にできます。
ちなみに、指の圧によるマッサージは、家でもできますので、患者さん自身が家で指で押して盛り上がりを減らすこともできます。
あまり押しすぎると、何のために注入したのかわからなくなりますが。
また、万が一意にそぐわない形に変化しても、ヒアルロニダーゼという溶かす薬で数日で元に戻せます。
手前味噌ですが、当院(品川院、銀座院)では、他のクリニックでめったに用いられないような極細の針を使用しています。
これを用いることで内出血や痛みが出る確率はかなり減少します。
涙袋ヒアルロン酸は目に近く患者さんもドキドキだと思いますが、目に刺したことはないですし、患者さんがじってされていれば絶対に刺すことはありませんのでご安心ください。
涙袋を作る目的は、笑顔の表情が柔らなくなることと(目がうるうるしたようなイメージ)、涙袋という目の額縁ができることで目が大きくなったように見え目が強調されることです。
また、涙袋は目の位置の重心を下に下げ、顔を若く見せる錯覚を与えます。他者の目から見ると、頬の長さが長いほど大人の顔とイメージされるからです。
涙袋のヒアルロン酸注入時間は両目で正味15分くらいで、貼り麻酔後に注射しています。氷での冷却をときに併用しています。
痛み対策は大事です。
患者さんは10代後半から40代前半までの方で僕は経験がありますが、20代の方が多い印象です。年齢が高いほど涙袋がしわしわなので、ヒアルロン酸の量は要る気がします。
AKBなど、若い女性芸能人で涙袋のはっきりしている方が多いので最近流行っているのでしょうね。
僕個人的には初めて涙袋ヒアルロン酸を経験される方にはなるべく控えめ量にしてあまり多くうちたくはないのですが、はっきりしたパンチのある涙袋を希望される方もいるので、注射する前に希望があればうつ部位も含めてご希望を遠慮なくおっしゃってください。
何も希望がなければ、上記の私の写真のような自然な涙袋を目指します。
やはりヒアルロン酸は後日水を吸って形が微妙に変わりますし、まれに動くこともあるので、最初は無難な量がよいと思っています。料金は両目で2万円スタートというパターンが多いです。
ヒアルロン酸注入は足らなかったら後から足すのはいくらでもできますから。
涙袋にうつヒアルロン酸は硬過ぎず柔らかすぎずの硬さのものを使用しています。硬すぎると不自然な盛り上がりになることがありますし、ヒアルロン酸が柔らかすぎると重力で下に流れたりして盛り上がりに緩急のついた涙袋にならないからです。
しかし、自分の見た目価値観を押しつけてはいけないと思う今日この頃です。
私は自分の涙袋にヒアルロン酸を入れたことはないのですが、鏡の自分を見て、生理的にどこが盛り上がれば自然になるのかを事前にイメージするようにしています。
ですから、自然にある涙袋を自然に補強するイメージでヒアルロン酸を注入しています。
涙袋ヒアルロン酸注入にご興味ある方は、品川のイーストワン皮膚科形成外科(03-5479-3388)、東京皮膚科形成外科銀座院(03-3545-8000)、東京皮膚科形成外科日本橋院(03-6231-1555)までお気軽にご連絡ください。
気楽に質問だけでも結構です。
ちなみに、直近1年間でも100人以上の方に涙袋のヒアルロン酸注入を行ってますので、皆さんご安心ください。
また、下記の写真はそれぞれ注入前後のイメージ像になります。
a(左上) 涙袋ヒアルロン酸注入前(表情静止時)
b(左下) 々 注入後(表情静止時)
c(右上) 涙袋ヒアルロン酸注入前(笑顔時)
d(右下) 々 注入後(笑顔時)
(出典 『Clinical anatomy of the face for filler and botulinum toxin injection』 p109 Springer社 )
最後に、下記はたるみ施術の説明で使おうと思っていた21歳頃の僕の写真ですが、20年前は僕も涙袋がはっきりあったのだなあと感じました。 皆さん、人生前向きに頑張りましょう。