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2017日本皮膚科学会東京支部学術大会で学んだ15項目

2017日本皮膚科学会東京支部学術大会で学んだ15項目

· 奥野公成 · NEW, 一般皮膚科, 学会・セミナー · No Comments · Kosei Okuno

先日パシフィコ横浜で行われました日本皮膚科学会東京支部学術大会に参加しました。

日本皮膚科学会という学会に入会すると、この学会が主催する3つの規模の学術大会に参加できるのですが、今回はその真ん中の規模の学術大会になります。

3つの規模とは、県別地方会、関東地区の会、全国大会(総会)です。

今回の学会は高校野球の関東大会みたいなものです。

学会では自薦・他薦の発表者にならなれば他のDrの発表を聞くだけです。

今回の学会では下記のことを学びました。

専門的なことなので医療関係者以外の読者の方には興味がないと思われますが、申し訳ありません。

学会では毎回こういうことを勉強しています。

 

1.抜毛症の人のダーモスコピー所見では、微小出血(follicular microhemorrhage)や、毛がV状に切れた所見が見られる。

2.C型肝炎のインターフェロンや、インフルエンザ感染でも円形脱毛症は増悪する。

3.一般的な女性型脱毛症の鑑別疾患で大事なのは休止期脱毛。

4.アスピリン不耐症とNSAIDS即時型アレルギーの鑑別は難しいが、前者はアレルギー関連の検査では陽性に出ない。

5.薬のアレルギー検査であるDLSTは、感作T細胞の薬による増殖をみる。可能なら時期を変えて複数回見るのがよい。

6.基本の内服薬パッチテストでは、薬をすりつぶして白色ワセリンにて30%重量比の貼付物を作り、使用する。

7.皮膚科医のパッチテスト結果で、金属アレルギー対応歯冠が保険適応になるものが出てきた。

8.歯科金属で多いのは、金銀パナジウム合金。

9.特異的IgEの感度は、20~70%と低い。

10.リンゴ等果物の抗原は果肉より果皮に多い。

11.医療用手袋のパウダー入り手袋は、ラテックスの量が多いので、アメリカのFDAは中止の方向に向かっている。

12.デルマトロンは電気メスの弱いもののイメージで、基底層までの表皮が熱凝固し、ターンオーバーでメラニンが排出されるリスクの低いシミ治療機械である。

13.ロングパルスYAGレーザーはポートワイン母斑にはあまり効果がない。太い毛細血管には有効。

14.DCDは冷却がまだらになることがあり、そのため効果もまだらになることがある。

15.レーザー光の深達度は一般的には波長の長さで決まると言われているが、実際には細い径ほど光が散乱して光が深く入らない可能性が高い。

 

 

 

一般皮膚科の内容もあり、美容医療の内容もありと、よい刺激を受けました。

自分が診ている患者さん方に知識を還元できることがゴールかなと思います。

またどこかで勉強してきます。

I participated in the 80th annual meeting of the Tokyo division of JDA.

The doctors told me a helpful story.