脂肪腫や粉瘤など、皮膚腫瘍の患者様は連日たくさんいらっしゃるのですが、今回は両側の副乳の症例です。
副乳は、通常左右ひとつずつある乳房以外にできる乳房に似た組織です。
脇の下から鼠径部にあるミルクラインにできます。
進化の過程でわれわれ人類は左右一対だけの乳房のみになりましたが、哺乳類は何箇所も乳房がありますよね?
本来退化して消えていったはずの乳房組織の遺残と言われています。
残り方もさまざまで、触るとしこりを感じる程度のかたもいれば、しっかり乳首に似た組織が残る方もいらっしゃいます。
乳腺組織の遺残がある場合は、生理の周期や妊娠出産を契機に膨らんできます。
自然に消えることはないのでなんらかの外科的処置が必要となります。
今回の患者様は皮下に触知する乳腺組織はごく少量、乳首様組織の遺残があるケースでした。
両側とも脇の下にあり、紡錘状に、皮下の乳腺組織とともに、摘出いたしました。
サイズが巨大である場合や、乳腺組織が多量である場合は総合病院を紹介となります。
脇の下だけではなく、お腹や鼠径部にできている腫瘍、気になることがありましたらご相談ください!
【注意事項】
アレルギー、傷跡、再発、腫れ、内出血、など