3万円できれいにしてくださいという方に先日会いました。
一般的にクリニックで何か美容医療の施術を受ける場合、受診された方が悩みや施術内容を述べ、それに対する料金をこちらが述べることが一般的です。
こちらが料金を述べ、それが高ければ患者さんの希望に応じて治療内容を減らしたり安ければ治療内容を増やすこともあります。
ですから、先にご予算を言っていただくのは、皆さんの時間の節約のため悪いことではないです。不動産屋さんみたいですが。
基本的に患者さんとクリニックにいる医療スタッフでは美容医療の情報量にかなりの差があるので、ときどき料金の意識に極端な差が生まれます。
でも、料金、時間、労力などの制約の中で、一人一人違った目の前の相手に対し、一番よい提案をするのがプロの役割だと意識しています。
手前味噌で恐縮ですが、自分がだいたいの治療のメリット・デメリットを知っているのと、目の前にいる方は何をやると見た目のコストパフォーマンスがよいのか初対面目線で分かるので、自分の価値観をときどき受診された方に言ってしまうことがあります。
スムーズなやりとり
「〇〇をやりたいのですが。」
「それなら△万円でできますよ。デメリットは・・・、メリットは・・・。他の方法は・・・。〇〇でよろしいですか?」
「はい。ここはカードも使えますか?」
「大丈夫です。」
スムーズではないやりとり
「〇〇をやりたいのですが。」
「それなら△万円でできますよ。でもこっちの治療をやった方がご自身にとってコストパフォーマンスがよいと思いますよ。料金もさほど変わらないですし。」
「えっ、そうですかあ、考えてなかったなあ。。。でもやっぱり〇〇をやっていきます!」
「分かりました。僕の意見は参考程度にとどめておいてください。」
僕の場合、最近髪を切ってなおさら感じたのですが、やはり情報量に圧倒的な差がある場合、自分の場合は信頼するプロに任せたいと思うことが多々あります。
皆さんも毎日電車や職場や学校で色々な方に会い、この人の顔のこれが目立つなあ(なかったらなあ)と感じるものがあると思うのですが、やはり初対面の相手が「これ」について一番よく分かります。
なぜなら家族と違い見慣れてないので。
特に顔の非対称を感じさせる物体は、無意識に不健康→美しくないと本能的に感じさせます。平均的な左右対称の顔が健康や美しさを感じさせるのです。
しかし、見慣れている本人や家族は何も感じないことがあります。
「初対面力」を上げたい方は他の人の価値観を少しだけ聞いていただくのがよいかもしれません。
僕ではなくても初対面の方であればよいのだと思いますが、しかし本当に本音トークをしてくれるかは分かりません。通常誰もが人の弱点に触れたくありませんから。
さて、施術を受ける方は予算に限りがありますので、僕が数万以内で治療を提案する場合、「初対面力」を上げるため重視している順番があります。
まず色系の悩み(例えばホクロ、シミ等)から優先して治療を行うこと、次に余裕があれば形系の悩み(シワ、凹み、たるみ等)の治療を行うことです。
なぜなら、色の悩みは形の悩みより通常他者から見て目立つのですが、治療効果が出やすいのでコストパフォーマンスがよいからです。
個人的には、美容皮膚科医療の中で一番コストパフォーマンスがよいものはレーザー脱毛で、その次がシミ治療だと思っています。これらは「色」があり、効果もほぼ一生ものですから。
本来、効果の持続期間も治療の重要な選択要素の一つです。
色があって盛り上がっている(または凹んでいる)ものなら真っ先に治療したいです。
実は3万円だけでもほぼ確実に効果が出る医療内容は割とあります。治療範囲に限界はありますが。
下記に小範囲なら3万以内ででき、ほぼ確実に効果が出る治療を思いつくまま11個述べます。
1.レーザー脱毛を行う。
2.ホクロ・イボをとる。
3.シミをとる。
4.しわ・凹みを目立たなくする。
5.他の人より目立たない部分をヒアルロン酸で盛り上げ目立たせる(涙袋、鼻、唇などの小さな部位、顎などの中くらいの部位。)。
6.ピアスの穴を開ける。
7.ニキビ焼灼レーザー圧出治療を行う。
8.まつ毛を伸ばす薬を購入する。
9.赤くて盛り上がった傷痕を目立たなくさせる(これのみ保険診療)。
10.エラの膨らみの左右差を減らす。
11.局所の汗の量を減らす。
ちなみに、計3万円内で下記の2~3つを1日で組み合わせて行うこともできます。
例)
小さなシミ一つにレーザーをうつ(約8千円)+ホクロ一つをレーザーでとる(約8千円)+額のしわ1本にボトックス注射をうち目立たなくさせる(約1万円)=約3万円弱
やはり知っているか知らないかだけの差という気はします。上記は化粧品では叶えられませんので。
これをやりに来た!という強い拘りの無い方は僕に何をやったらよいか聞いてください。
人生何事も一歩目力ですが、一歩目を踏み出すのは勇気が要ります。
例年、年末は色々な治療をされる方が多いです。
年末年始、GW、夏休みのような長期休みは人と会わなくてすむので、赤みが出たり、何か貼らないといけないような治療をするには大チャンスなのでしょう。
美容医療も食べ物と同じで、迷ったら一口味見してみるとよいと思います。自分に合うか合わないか分かりますし、もっと早く知りたかったと思わなくてすみますから。
上記の治療であとが残る等後遺症のリスクは極端に低いです。だからやっている人が多いのかもしれません。
さて、僕とお会いした際は遠慮なく気楽に何でも聞いてください。初回は治療せず話だけでも結構ですので。
皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。