今年1年も折り返しましたね。
今回は4年前に一度書いた首の茶イボについて再度述べたいと思います。
暑い夏には首やデコルテを出すことが多くなりますからこれを気にされている方は多いと思います。
首や胸にぴょこんと出た茶色米粒大の柔らかいイボです。
気になって毎日触りたくなりますよね。
これを除去するのは非常にコスパのよい治療です。
なぜなら効果が一生ものですから。
まず、この茶イボが何なのかということですが、これは加齢により出てきた皮膚の良性腫瘍です。
この茶イボは歳をとるとほぼ全国民がもちます。
電車に乗ったら隣に座っている中高年の首を見てみてください。おそらく数個はあります。
軟性線維腫、アクロコルドン、スキンタグなどとも言われ、皮膚の浅い部分の線維が増えた腫瘍です。
ちなみに、アクロコルドンという呼び名は厳密には脂漏性角化症という加齢性の硬い良性腫瘍(茶~黒色)も含みます。
首、胸、脇などに多く、ときに腰背部、陰部、両大腿などにも出ます。
大半は加齢変化として中年以降に増加しますが、一部の大きなものは幼少期より出ていることもあり大きいと巾着様に垂れ下がることもあります。
私の個人的な考えですが、やはり遺伝(家系的な体質)が大きな原因ではないかと考えています。この茶イボが家族でも多い人はいませんか?
一般的に良性腫瘍というものはそういうものだと思いますが。
たくさん出ている人と全く出ていない人で生活習慣はさほど変わらないと思いますから。
ですから皆さんの過去における行いが何か悪かったということではありません。
ただ、一方では体質なので予防が困難ということです。
出てきたらたたくモグラたたきのように後手後手の対処をするしかありません。
この茶イボを治療するにはやはり炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)のような繊細に焼ける器具で焼くのがベストだと思います。
大学病院時代はこのイボをよく液体窒素というドライアイスのようなもので焼いていました。
ただ、それだと茶イボの周囲に茶色の色素沈着が生じ見た目が数か月~半年は悪くなります。
液体窒素で茶イボをたくさん治療すると首が茶色のあとだらけになるということです。
この液体窒素ですが、これは面で広く皮膚が焼けるので罪のない肌も焼けてしまいます。よくないのです。一粒一粒にバズーカ砲発射なのです。
その後の一般病院時代は茶イボの根元をハサミで切るだけという治療を行っていました。
これは悪くはありませんが、根元が少し残るのと、あまり飛び出ていない茶イボには行えないのでその辺が微妙でした。
弱い相手だけを選び戦う治療です。
ということで、炭酸ガスレーザーがある施設ならやはり根元をハサミで切って炭酸ガスレーザーで焼く or 炭酸ガスレーザーで焼くだけというのがベストではないでしょうか。
焼く道具は電気メスでもエルビウムYAGレーザーでも繊細に点でピンポイントに焼ける道具であれば何でもよいのだと思います。
痛み対策として半数くらいの方に注射麻酔を行っていますが、ベテランの患者さんになると注射麻酔はいらないと言われます。
おそらく麻酔注射より焼かれるだけの方がトータルの痛みが少ないということなのでしょう。焼くだけなら内出血も絶対出ないですし。
炭酸ガスレーザーで焼いた後はごく小さな傷ができます。1㎜ほどの赤みを伴ったじくじくです。
じくじくは数日~1週間続き、赤みのある皮膚となり約1ヶ月後には肌色になります。
一部には肌色凹凸が残ります。
これは膝を擦りむいたときの治り方と一緒です。
ですから抗生物質の軟膏を塗ってガーゼを貼ったり、もしくは傷パワーパッド様の貼りものを数日~1週間ほど貼ってもらいます。
傷あとは一生ものですが、会話している目の前の人が目を凝らして首を見てもわからないケースがほとんどです。
一生モノの効果で清潔感がぐっと増すので極めてコスパがよい治療です。
料金につきましては一粒1100円(税込み)で、平均的な方は5~30個くらい行われます。
それ以外に軟膏、受診料が各千数百円かかります。
例えば20粒とると、消費税なども含め込み込みで約2万6千円(税込み)です。
化粧品を買う料金を考えれば、一生モノの清潔感を得るのにこの値段は安いのではないでしょうか。
ただ、どちらかというと見た目目的以外で手で触って気になるからとりたい、ネックレスが引っかかるからとりたいなどの理由で行う方が多い気はします。
見た目より実用目的ですね。
皆さん、首・体・四肢の茶イボでお悩みの際は気楽にご相談ください。
取らなければ数も増え、一粒一粒が徐々に大きくなりますので。
下記に治療前後の写真をお示しします。この方は2回治療をされており、初回が首、2週間後に胸部を行いました。
1回目でご満足されたので2回目も希望されたようです。
初回治療前です。首の左側にある一番大きなイボだけはホクロのようです。
炭酸ガスレーザーで焼いた直後です。茶イボを焼いた赤い部分の周りが白いのは麻酔注射の影響です。この白さは1時間くらいでなくなります。
初回治療の1ヶ月後(2回目治療の2週間後)です。
初回治療の2ヶ月後です。かなりきれいになりましたね。清潔感が増しました。傷跡も分からなくなりました。首の左のホクロ部位のみに微かな色素沈着がまだあります。
イボの数が多く焼いてないイボもまだあるのでご希望があれば再度治療を行いたいと思います。
治療前と治療2ヶ月後を並べてみました。さっぱりしましたね!
上記の写真からさらに2年後の状態は下記の通りです。効果が年単位で維持されていますね。
(余談)
24時間いつでも僕を優しく受け入れてくれるのはジムとコンビニだけなので普段よく行ってます。
先日ジムの帰りに「まいばすけっと(通称まいばす)」というスーパーに行きました。
まいばすでの買い物は私の至福のひと時です。
ところが、支払い時にお金が足らず困ってしまいました。
そのとき、なぜか奇跡的にジム用のカバンから500円玉が見つかりました。
「奥野さん、俺がいるから大丈夫だよ!」と500円玉に言われたようでとても嬉しかったです。
最後の500円玉ってほんと頼りになりますね。ほっとしますよね。大きく見えますよね。神様っているんだなと感じますよね。
500円玉登場から40年近く、人生何度も助けられてばかりです。
その後家に帰ってジム用の財布にお金を補充したときのことです。
5000円札の女性が「奥野さん、私の方が500円玉の10倍貢献しているのに感謝されたこと一度もない!」と言っているように見えました。
彼女とはスイカのチャージとジム用財布のお金補充でしか会った記憶がありませんが、もっと評価して大事にしてあげないといけないなと感じました。
人生反省することばかりです。