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東京皮膚科・形成外科 奥野公成 超皮膚科学

【皮膚科専門医による施術】にきび治療の選択肢9種とそのおすすめ度

【皮膚科専門医による施術】にきび治療の選択肢9種とそのおすすめ度

· 奥野公成 · NEW, にきび · No Comments · Kosei Okuno

今回は当院で私が最近力を入れているにきび治療のラインナップを紹介致します。

当然ですが、僕は皆さんができるだけ早いうちににきび治療を始めることをお勧めします。

顔がにきびだらけの方も地道に治療し続ければ、「半年くらい」でほぼにきびがない状態になりえます。

 

にきびは痛かったり痒かったりしません。

ですから、医療機関で治療しない方がとても多いのです。

しかし、にきびの一番の問題は「凹みの痕(あと)」が20代以降で残ることです。

それは頬やこめかみにできることが多く、通常とても目立ちます。

そのため、痕ができる前に治療を頑張ることが大事です。

にきび痕の治療は、普通のにきびの治療の10倍は難しいですから。

「ああ今より若かったあの時もっと頑張って治療しておけば・・・」と後悔しないよう、この今頑張っていただきたいのです。

皆さんにとって今日が残りの人生で一番若い日ですからできるだけ早めに治療をスタートすることが大事です。

にきびは10代の若い方が患うもの、というイメージがあるかと思いますが、実際は40代の方まで悩んでおられる印象です。

青春のシンボルではなく単なる皮膚病と考えています。青春後に後遺症が残る可能性があるものですから。

どの年代の方も、5年10年後のために今から最善の治療を行ってください。まだ間に合います。

 

にきびの原因は主に2つです。

 

一つは、体質的な毛穴の詰まりやすさです。

アラサー以降の方については、乾燥による毛穴の詰まりも加わります。

もう一つは、脂腺の働きが活発になることです。

若い方のにきびの原因は、若さ故の皮脂分泌過剰であり、アラサー以降の方のにきびについては、ホルモンバランスの乱れによる皮脂分泌過剰となります。

 

にきびができるからくりは以下の通りです。

 

毛穴がつまる→その頃は脂腺が活発に働いている→脂が毛穴から出られなくなる→その毛穴に一致した皮膚が膨らむ→膨らんだ部位は感染しやすくアクネ菌が感染する→感染によるダメージがひどいと毛穴が破壊される→毛のさやの周りの皮膚の線維もダメージを受ける→皮膚の線維が異常になり凹んだあとが残る。

下記に述べる治療法は、このにきび発生のからくりをどこかで止めるために作られたものです。

 

ちなみに、通常にきび部位の毛は退縮して小さくなり見えなくなります。

ですから、毛穴ににきびができると言われても毛が鏡で見えないので、それが毛穴なのだということがぴんとこないかもしれません。

 

 

さて、今回のテーマですが、当院のにきび治療のラインナップとそれを単独で半年行ったときの総合お勧め度は以下の通りです。

普通のにきび治療のもので、にきび痕治療のものとは別です(にきび痕治療については、いつか改めて述べたいと思います)。

僕の総合お勧め度は、効果・副作用・通院頻度・患者さん側の手間・料金の4つを僕が総合的かつ感覚的に考えてつけました。

効果を中心として考え、お勧め順にA、B、Cと治療の名前の後につけています。

 

1.塗り薬

(抗生物質(細菌をたたく薬)B、抗生物質ではない抗菌薬A、皮膚の詰まりを和らげる薬A)

2.飲み薬

(抗生物質(細菌をたたく薬)A~B、皮膚の詰まりを和らげる薬A、ビタミン剤C、ピルA)

3.面皰圧出B

(針やレーザーで孔を開け、にきび内の中身を外にしぼり出し炎症を早く解除する治療。ちなみに、毛穴が詰まっただけの第一段階のにきびを面皰と言います。)

4.ケミカルピーリングB

(毛穴の詰まりを優しい酸で溶かす治療)

5.ハイドラフェイシャルB

(毛穴の詰まりを優しい酸で溶かし、かつ毛穴の詰まりを軟らかくする薬を使用し、毛穴の詰まりを機械で吸引する治療)

6.ブルーライトB~C

(活性酸素の力でにきび菌をたたく治療)

7.イオン導入C

(肌にとってよいものを皮膚に浸透させ、にきびができにくい皮膚環境を作る)

8.プラズマ照射B~C

(特殊な機械で窒素を高エネルギー状態(プラズマ状態)にしてそれを皮膚に照射し、にきび菌を殺菌する治療)

9.アグネスA

(面皰圧出の後、その毛穴にきわめて細い針を刺し、脂腺を焼く治療。言わば針脱毛みたいなもの。)

 

 

治療のコースですが、今までの人生でほとんどにきび治療をしていなかった方であれば、まずは保険診療の塗り薬・飲み薬からスタートしています。

また、過去に保険診療の治療を中途半端に行っていた方も保険診療の薬からスタートしています。

保険診療を3か月行って効果の兆しがない方や、他院できっちり保険診療の薬を使っていた方には自費治療(保険外診療)の紹介を行っています。

自費治療は保険診療と違い、種類も多く選択が難しいです。

しかし、保険診療にはできないニキビへの「攻め方」が可能になります。

現在保険収載されてないということは、大規模データの論文になっていないということであり、決して効かないということではないです。

今の有名大企業が、昔は誰も知らなかった中小企業だったのと同じです。

 

自費治療の選択につきましては、その患者さんが効果・副作用・通院頻度・患者さん側の手間・料金の何を重視するかで選択が決まってきます。

自費治療を行う場合、通常一つ~三つを併用していくことが多いです。

効果重視であれば、上記の治療の中で総合評価Aのものを組み合わせていくとよいと思います。

そこそこ通院できる方で、かつマイルドな無難な治療をご希望であればB~Cのものを組み合わせていくとよいと思います。

B~Cの治療でも、組み合わせることで効果は上がります。

 

僕は割とせっかちなので下記の治療が好みです。

保険診療の飲み薬・塗り薬→Aの自費治療。 特に、皮膚の詰まりを和らげる飲み薬orピルorアグネス

 

にきび治療は、普通の方であれば月単位で症状は徐々によくなりますが、そうは言ってもやはり時間がかかります。

薬の治療なら毎日コツコツ取り組めるかがポイントになります。

受験勉強と同じで普通のことを毎日地道に続けるのです。

ですから、一週間何か治療を行って効かなかったからといってすぐ別の治療に乗り換えるのはお勧めしません。

自分のスマホで写真をとって一か月一か月変化を見ていくのがよいです。着実に効果を感じますから。

 

にきび治療は色々な治療があり迷いますよね。

疑問がありましたら外来で是非気軽に何でも聞いてください。また、上記の治療を行うとすれば具体的な説明も必要になります。

正解は皆さんそれぞれでよいと思います。

皆さんの現状や希望をふまえ、無理のない範囲で治療法を相談していきたいと思います。