お問い合わせ: (03) 5479-3388
田町駅徒歩5分の皮膚科・形成外科・美容外科 芝浦B.クリニック Web Site

東京皮膚科・形成外科 奥野公成 超皮膚科学

【皮膚科専門医による施術】シミ・刺青の最新治療 ピコレーザーとは(銀座院)

【皮膚科専門医による施術】シミ・刺青の最新治療 ピコレーザーとは(銀座院)

· 奥野公成 · しみ, 美容医療の機器 · No Comments · Kosei Okuno

さて、今回は最近当院に入ったシミ・刺青取り最新機種レーザーについてお話し致します。

結論から言いますと、今までのレーザーより薄いシミと刺青に効果が高い機械です。

製品の名前は「PicoWay」と言います。

このレーザーは今までのQスイッチレーザーと比べ、とても素晴らしい技術革新をもっており、シミ・刺青をお持ちの方にこの最新の技術と情報を提供できればと思っています。

タッチパネルがシンプルでとても使いやすいです。

以下に具体的な内容を述べます。

まず、ピコレーザーの「ピコ」とは何かと言いますと、レーザーの光が出されている時間の単位を表す数字です。

レーザーの機器のスペックを表す重要な数字がいくつかあります。

1)波長2)パルス幅3)照射出力の3つがメインですが、ピコが関係するのは2)パルス幅(照射時間)です。

言わば、レーザー光が出続けている時間であり、例えるならロケットを打ち上げたときのジェットエンジンの火が噴射されている間の時間です。

1)は言わばターゲットとなる「色」の設定です。どの色に効くかということなので、ロケットを打ち上げるときの向きの設定みたいなものです。

3)は深達度や破壊力の設定であり、ロケットを打ち上げるときのジェットエンジン噴射の勢いみたいなものです。

 

今までのシミ取りレーザーはナノ(nano)秒、10億分の一秒、つまり0.000000001秒の単位の倍数の照射時間でしたが、このピコ(pico)秒は1兆分の一秒、つまり0.000000000001秒の倍数の照射時間の間レーザー光が出ます。ゼロが3つ違うのです。

例えば、以前当院でよく用いていた「AlexTriVantage」というQスイッチ(ナノ秒単位でうつ装置)アレキサンドライトレーザーは、50ナノ秒とう時間の間だけ光が出ますが、ピコレーザーでは532nmという通常シミ用の波長でうつ場合、375ピコ秒の間だけ光が出ます。

ということは、一発が今までのレーザーの133分の一の時間だけ照射できる繊細な機械なのです。

兆の数字が出てくると、感覚的に日本の借金くらい想像がつきません。

ちなみに、この375ピコ秒は普通のシミを照射するシミレーザー製品全ての中で最も短い照射時間です。

照射時間が短くなると何となく料金も安くなるのではという気もしないではないのですが、そういうわけありません。

 

短くなるとどういう良いことがあるかと言いますと、シミの色素粒子を細かく砕けるのです。なぜなら、一瞬の短い時間だけで高いエネルギーを照射できるからです。当院に以前あったレーザーよりピークパワーは20~50倍になります。

例えるなら、金づちでたたくより針でつついた方が、自分の思っている大きさにものを壊せるのと一緒です。また、細かく砕けば砕くほど皮膚から早く排出されます。

短い時間だけ照射することで、周りの余計な熱の発生や痛みの発生も減りますので、照射直後の皮膚ダメージ、照射後の炎症後色素沈着(PIH)、刺青時の瘢痕含め皮膚ダメージも以前のレーザーよりかなり減っています。

以前からシミ取りを何度もされている方は、シミにピコレーザー照射直後は、以前のレーザーと比べ反応が物足りなく感じるかもしれません。こんなもんでいいの?と。

シミのレーザー照射部位が白くなりませんからね。

でもそういうものですからこんなもんでいいのです。大丈夫です。

ピコレーザーは、ミクロの世界の必殺仕事人みたいなものかもしれません。

シミにレーザーを組織に照射すると、瞬間的に組織が熱膨脹し、超音波を発生します。ピコ秒レーザーは熱効果による破壊以上に、この光音響効果による粒子破砕でシミを除去しています。つまり、今までのレーザーは熱膨張による破壊でしたが、ピコレーザーは振動による破壊をメインに行っているということです。

 

下記は、老人性色素斑というありふれたシミにピコレーザー照射した2名の方です。いずれの方も、向かって左が照射前、右が照射後です。

ピコ秒レーザーは、Qスイッチレーザー(ナノ秒レーザーのこと)と比べ、薄いシミへの効果も上がりました。

 

デメリットは以前より費用が必要とされることなのですが、当院ではピコレーザー1ショット(3mm直径)2000円、シミ面積1㎠20000円の料金のいずれかを適応し照射しております。

患者さんにとって一番安い組み合わせで料金をいただいていますのでご安心ください。

照射後の処置は以前のシミ取りレーザーと同じで、最低一週間の軟膏処置を必要とします。

 

ピコレーザーによるシミ、刺青治療に興味のある方は、東京皮膚科形成外科(03-3545-8000)までお気軽にお電話ください。ご相談だけでも大丈夫です。

また、治療前後の写真をHPなどネット掲載や学術発表等の使用でご協力いただけます方は、2~4割引の料金で施術させていただきます。ご希望の方は私奥野かスタッフに遠慮なくお声がけくださいませ。

 

カラフルな刺青にも以前のレーザーより効きはよいようです。今後臨床データが集積されてくるものと思います。

下記の左の写真は新宿御苑で、右の写真はこの秋に日本美容外科学会(JSAPS)が行われた京都会場の土産物屋で撮影した写真です。色彩鮮やかでとても美しいですね。

ハイテクと美しい自然・伝統が共存する国、日本に生まれた幸せを感じます。

 

Picosecond laser enables removal of multi-colored tattoos,recalcitrant tatoos and benign pigmented lesions on any skin type.