サイトリッチ療法とは、『Autologous Cytokine Rich Serum(自己血サイトカインリッチ血清)』で、ACRSと頭文字をとって、ACRS治療といいます。
ACRS治療は、PRP治療と同様にご自身の血液から血小板由来の成長因子と炎症誘発性サイトカイン(IL-1)を抑える物質を高濃度に増加させて抽出した血清(サイトカイン)です。この活性化した成長因子を含むサイトカインは、衰えた毛包や弱った皮膚細胞を再生させる働きに優れています。
PRP治療は、治療部位への血小板の細胞移植により、血小板が引き起こす創傷治癒の過程を人為的に作り、augimentationやskin rejuvenationに用いたり、育毛治療にも使われています。
ACRS治療は血小板をガラスビーズに接着させてインキュベーション(恒温器で3時間)することで成長因子やサイトカインを徹底的に放出させた後の血小板などの細胞を除いた血清のみを用いるのがACRSになります。さらに、PRPでは放出されない抗炎症性サイトカイン(IL-1Ra)が豊富に存在するこが特徴となります。
PRPに比べて成長因子の中でEGF(上皮成長因子)やFGF(線維芽細胞増殖因子)、IL-4(インターロイキン4)などがインキュベーションにより数倍~十数倍まで増殖することも確認されています。
PRPにおける育毛治療は当クリニックや様々なクリニックでも導入されている治療法の1つで、PRPが毛乳頭細胞を活性化することは知られています。PRPにはFGFはほとんど含まれておらず、PRPが毛乳頭細胞を介してFGFの産生を促し毛髪の成長に関与していると言われています。
頭皮だけでなく、顔全体に注射することで、肌の弾力性を向上させ、シワ・くすみなどの加齢症状を改善する働きなどもあります。
採血後に、専用のスピッツに血液を入れ、37度の温度を保ちながら3時間保管します。その後、遠心分離機を使用し、血清の部分のみを抽出し注射や、ダーマペン、水光注射にて気になる頭皮やお顔に注射します。この治療は、2週間~4週間毎に最低4~6回を継続して受けていただくとより高い効果を実感していただけます。
お時間のない方は、冷凍保管することができますので、後日、施術することをお勧めします。冷凍保管期間は、2か月程度を推奨しております。
吉澤先生ブログ
禁忌
・インフルエンザに罹患しているとき
・抗生物質を内服または、内服する可能性がある場合
・ワクチン投与を受けた後
上記の場合に関しましては、6週間あけてください。