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【皮膚科専門医による施術】シミ取りレーザー治療へのこだわり(品川院・銀座院・日本橋院)

【皮膚科専門医による施術】シミ取りレーザー治療へのこだわり(品川院・銀座院・日本橋院)

· 奥野公成 · しみ, 美容医療の機器 · No Comments · Kosei Okuno

季節が夏から秋に移るとシミで悩まれる方が増えてくるかと思います。

今回はシミレーザー治療についてお伝え致します。

品川院のQスイッチルビーレーザーIB101、銀座院のピコYAGレーザーPicoway、日本橋院のQスイッチYAGレーザーSpectra、QスイッチアレキサンドライトレーザーAlexなどがそれに当たります。下記の写真はIB101です。

IB1011250[1]

ピコレーザーはQスイッチレーザーより短い時間のレーザー光が照射されるものです。

クリニックで行うシミ治療は、顔の清潔感が断然上がるコストパフォーマンスの高い治療です。

レーザー脱毛と同様、リスクが極めて低いのに効果がほぼ一生もので、鉄板の横綱的美容医療です。

自信をもっておすすめします。

化粧品ではシミの「ある程度の予防」や「わずかな軽減」はできても、シミを「取り除く」ことは医療の力でしかできません。

化粧品に書かれている効果の文には役所から監視されている厳密な定義があり、消費者を惑わせないような決まりが我国にはあります。

シミを消失させられる効果のあるものは、法律上化粧品という位置づけではなく、薬やレーザー等医療機器の位置づけに置かれ、医療機関にしか置けません。

例えるなら、自宅に包丁やモデルガンがあっても大丈夫ですが、法律上の何の届出もなく、普通の家に日本刀や銃器がおけないのと同じです。

強いものやことは医療機関で有資格者しか法律上行えないのです。

ですから、通常そういう薬や機械は、専門業者は有資格者にしかおろせません。

人間の体に明らかな半永久の変化を及ぼすことを行ったり販売することは、法律上クリニックや病院でしか行えないのです。

シミを「消す」ということは半永久の変化ですから、法律上医療機関でしかできない行為になるのです。

銀座院にあるM22の回でお話ししましたが、大概のシミにおいてレーザー治療は最も効果に「切れ」のある治療となります。

私は通常シミの数がかなり少ない方や、たくさんシミがあっても大きなシミだけよくなればよいという方にはレーザー治療を勧めることが多いです。

一方、細かいシミがたくさんある方や、照射後に何も貼れないという方、シミ以外に赤みや小じわなども気になるという方は銀座院のルメッカ、品川院のePlus(我々は治療名トリニティで呼ぶことが多いです)、日本橋院のライムライトなどの光治療機(IPL)をお勧めしています。

 

レーザーとは一言で言いますと、人工的に作った、「同質の一種類の強い光」です。

軍隊の行進のように力強く歩調を合わせまっすぐ進むイメージの光です。

皮膚の中の黒い部分だけをミクロの世界で燃やしてしまう機械です。

ですからごく軽いやけどが起こります。

レーザー照射機とシミの、例えのイメージとしましては、人工衛星のような宇宙船から光が出て、地球の地表にある黒い屋根の家一軒だけを燃やす感じかと思います。

家一軒がシミだと思ってください。皮膚の細胞は顕微鏡で見るとたくさん見えますが、黒い色(シミの色の元であるメラニン)をもっている細胞は一部です。

ここで一番ポイントなのは、この光は、隣の家を燃やさないでその家一軒だけ焼いている(焼ける)のです。

現実の細胞レベルでは熱や衝撃波(爆風みたいなもの)で黒い色の周りの細胞も多少の影響を受けますが。

広く深く焼くなら電気メス等何の道具でも焼くことができますが、レーザーはミクロの世界の人間の目に見えない細かい物体を、ピンポイントで焼ける高性能機械なのです。

漫画のゴルゴ(デューク東郷)みたいに遠くから狙った相手を撃つ有能な狙撃手です。

 

ちなみに、ルビー、アレキサンドライトとは宝石で、レーザー光を発振する物質にその鉱物が備えられています。YAGはイットリウム、アルミニウム、ガーネットの固体を用いたレーザーで、それらの頭文字をとってYAGと言われています。PicowayもSpectraもこれにネオジウムを添加したNd:YAGレーザーです。

レーザー光の生体への作用は、生体の構成要素(しみの元になるメラニンなどの茶色)がレーザー光を吸収して熱変換されることから起こります。

日中に黒い服を着て外に出ると服が熱くなるのと同じです。

QスイッチのQはqualityのQで、強くため込んだ光を一瞬の短時間で強く光を放つ装置です。

この装置がついているレーザーは、皮膚の中の焼きたいところだけを焼き、余計な部位をやけどで破壊せず済みます。アリ一匹を退治するのに、ミサイルは要りません。ステーキを強火一瞬で焼けば、肉の中は焦げず、外しか焼けないのとも似ています。

例えば、下表に見えますようにルビーレーザーの波長は694nmなので、コラーゲン組織やヘモグロビンにはほとんど吸収されずメラニン色素顆粒に対して吸収が高いので、メラニン性皮膚色素疾患の治療には適した波長です。焼きたいものだけ焼けるということです。

ただ、品川院のルビーレーザーは、一発の照射時間幅が20nsであり、この焼き時間が真皮メラノサイトや刺青粒子を破壊するのに最もちょうどよいという説もあります。

また、そのルビーレーザーのメリットとして、5mmのスポットサイズなので、そこそこ広い範囲のシミを一発で治療することができます。

ちなみに、YAGレーザーは1064nmの半分532nmで照射することができ、普通のしみには1064nmではなくこれを用いるのですが、これは上記のレーザーの中でメラニンへの吸収率が一番高いです。しかし、波長が短いゆえ、深くには届きません。深いところにあるしみには1064nmを用います。

しかし、しみ治療の効果の上で、ルビーレーザー、YAGレーザー、アレキサンドライトレーザーの三者とも大差はないと感じています。

 
蛇足ですが、品川院の私の席の後ろに貼ってある症例写真をお示しします。
DSCF1194
シミにレーザーを照射した後は、茶色の部位が軽いやけど状になりますので、一週間は軟膏処置を必要とします。
通常照射時には軽く輪ゴムではじかれたような痛みがありますが、当院では麻酔テープをほとんどの方に貼っているので、この痛みはかなり軽減されます。冷やすだけの方もいます。
照射部位には、透明な保護テープを貼っていますので、上からメイクも可能です(「シミレーザー照射後処置」のブログも参考になさってみてください)。
 
反応がよいと、下記の写真のように照射した部位に一致して細かいカサブタが数日くらいできます。無理にこすってとらないようにしてください。早くとるとその後色素沈着(PIH)が出る確率が上がります。
DSCF1047修正
下記の方は銀座院に昔あったQスイッチアレキサンドライトレーザーを照射した平均的な効果の方ですが、他のレーザーでも経過は一緒です。
レーザー照射後の経過の流れです。上から照射前、照射1週間後、照射半年後です。
照射一週間後には薄いかさぶたができています。照射半年後には照射前より大分しみが薄くなっています。
皆さんの平均を考えますと、照射部の8割くらいの色素が1回の照射でなくなる印象があります。
くっきりしたシミが淡くぼんやりするとかなり目立たなくなります。
 

炎症後色素沈着(PIH)は、一部の方に照射2か月後以内に起きる一過性の色素沈着です。
レーザー照射による時折の副作用はこの炎症後色素沈着がほぼ全てです。
途中経過で一旦濃くなっているだけですので、不安になったり驚かないでください。放っといてもなくなりますので。
そのため、私はレーザー照射後にシミの取り残しがあるかどうか判定するのに、皆さんに半年は必要と話しています。
レーザー治療は半年後の自分への投資です。半年後には受けてよかったなと実感できる治療なのです。
 
 なお、シミは自費治療になりますが、レーザーの治療においては太田母斑、外傷性色素沈着(怪我による刺青)、扁平母斑(これだけルビーレーザーのみ)、異所性蒙古斑に保険適応があります。
 
個人的に私はシミのレーザー治療はほとんどの方に効果が出て、照射時間も正味5~10分くらいで短く、かなり好きな治療なのですが、照射後一週間何かを貼らないといけなかったり、一部の方が炎症後色素沈着で一時だけ色素が濃くなるので、効果の「切れ」とのバランスでご検討いただくとよいかと思います。
その二点を望まない方はトリニティ(品川院) または ルメッカ(銀座院)またはライムライト(日本橋院)をお勧め致します。
 ちなみに、レーザー治療の料金は、直径1cm大の円のシミで約1万5千円になります。1平方cmだと約2万円です。
現在高額な化粧品やエステを利用されている方にとって、半永久の効果が出る医療機関の治療はとてもよい投資なのではないかと私は思っています。
シミだけのことを考えれば、レーザー治療は、例えるなら「ウルトラマンのスペシウム光線」みたいなものではないでしょうか。
中高年の方にしか分からない例えかもしれませんが。
シミを怪獣に例えますと、大概の怪獣はウルトラマンが出会った瞬間にスペシウム光線を使えば無駄な取っ組み合いをせずやっつけられるのです。
他の治療も一長一短はありますが、出せる方はすぐレーザー治療というジョーカーを出せばよいのです。
医療機関で治療を受けるのはとても度胸がいると思います。
一歩目を踏み出す度胸があれば、人生の視界が開けます。
おそらく、二歩目を踏み出すときの度胸は一歩目の100分の1で済むと思います。
 
シミの治療は、厚さ2mmの皮膚の中の闘いなのかもしれません。
私奥野に会いましたら、是非何でも気楽に聞いてください。話だけでも結構です。