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【皮膚科専門医による施術】薄毛・AGAの最終兵器・少量自毛植毛は手軽でばれにくい方法(銀座院)

【皮膚科専門医による施術】薄毛・AGAの最終兵器・少量自毛植毛は手軽でばれにくい方法(銀座院)

· 奥野公成 · 毛髪 · No Comments · Kosei Okuno

今回はAGA(男性型脱毛症)を含めた薄毛に行う少量自毛植毛治療についてお伝え致します。男性でも女性でも可能です。

自毛植毛は、一言で言いますと「髪の毛のお引越し」です。

具体的には、後頭部から毛を取り、それを前の生え際や頭のてっぺんの毛が薄い部位に植えていきます。

毛が薄い部位に植えた毛は、後頭部にあったときのように生えたり抜けたりの自然なサイクルを生涯繰り返します。

自毛植毛治療自体の最大のメリットは、後頭部からとった毛はずっとその性状を保つため、薄い部位に植えても極めて禿げにくいことです。

優秀な転校生なのです。波平さんも後頭部は毛がふさふさですよね。

自毛植毛治療自体の二番目のメリットは、その生着率が高いことです。後ろから前へ移した毛の90%が生着します。確実性が高いのです。特に生え際に植える方は続けると変化を感じやすいです。

手技も複雑ではなく、歯医者さんと同じ部分麻酔で会話をしながら行うことができます。

植毛治療は、皮膚科でやけどや腫瘍切除後の皮膚欠損に行う全層植皮の、言わば極めて小さい版です。全層植皮とは、全ての深さまでの皮膚をお引越しするということです。。

また、通常の薄毛部位だけでなく傷痕の禿げにも行うことも可能です。

自毛植毛は僕の好きな治療法の一つです。

 

さて、現在薄毛の治療は主に下記の四種類になります。

1.塗り薬(市販のリアップ等)

2.飲み薬(当院ではフィナステリド  or  スマートアップ(フィナステリド、ミノキシジル、ビタミン・ミネラル・アミノ酸などの複合薬))

3.注射治療(当院ではDrCYJ   or  ミノキシジル注射)

4.植毛

 

まず薄毛の方は、1、2,3のいずれか、もしくは2種類くらいを平行して半年以上行うことが多いです。

こつこつと行える几帳面な方は、だいたい毛が増えます。

しかし、そのだいたいの方に入らない一部の方は、通常のAGA・薄毛クリニックでは打つ手がなくなります。

 

そのときに切り札として植毛治療という外科的な治療が視野に入ってきます。もちろん、人生短いですから早く効果を出したい方は、受診の最初のあたりから植毛治療を行う手もあります。

つまり、植毛を行う方というのは「何の治療をしても駄目だった人」or「早く効果をだしたい人」のどちらかになります。

皆さんの中には、植毛というと手術なので何となく怖いイメージがあると思いますが、実際は手術と言っても部分注射麻酔だけで行えるかなりソフトな手術治療です。歯を抜くときの麻酔と同じ麻酔注射で行います。歯を抜くのも手術です。

植毛手術のイメージですが、鉢植えの球根を、鉢から畑に植え替えるような感じです。海でとったマグロの鮮度を維持しながら、解体し消費者まで運ぶのにも似ています。

 

当院で行っている少量植毛とは、後頭部から少量の毛をとって生え際等毛の薄い部位へ植える治療を、数回に分けて行う治療です。こつこつ貯金をするのに似ています。

大量植毛と比べたときの少量植毛のメリットは、毛をとる部分の後頭部の傷が数日~1週間で毛髪で覆われ目立たなくなるので、日々の仕事を普通にしながら植毛を行える点です。

少量植毛のもう一つのメリットは、薄い部位の毛が一気に増えないので、植毛したと周りの人に気付かれず薄い部位の毛髪をゆっくり増やせることです。

後頭部の毛は毛量も多く、伸びるのも早いです。

少量植毛は普通の大量植毛と違い、後頭部全体の毛を剃らないですし、傷の数も極めて少ないです。

この少量植毛では、1日で直径1mm大の細い円柱状の傷が、後頭部に数十~100はできますが、半年くらいたつと探すのも難しいくらい目立たなくなります。

ちなみに、頭の髪の毛は10万本くらいあり、少量植毛で一度に植えられる毛は、120~200本なので、髪の毛全体の約0.15%の毛の引越しになります。

この量の植毛ですと、一日の料金は12~20万+受診料・税になります。

一日数時間のこの植毛を何度か行っても、後頭部の毛は外から見ていて減ったかどうか他の人からは全く分かりません。

少量植毛のデメリットは、数回に分けて行うので通院や治療時間の手間がかかる、外観が一気に変わらないのでせっかちな方には向かない、小範囲ではあるが後頭部の毛を短く切らないといけない(一週間くらいで目立たないくらいに伸びますが)、手術後一週間は移植部・採毛部に赤みが出る、後頭部の毛を採取した部分に細かい点々の白抜け状の傷痕が残る、などの点が挙げられます。

少量植毛は、普通の大量植毛と違い、塗り薬、飲み薬、注射治療のある意味「補助」的な立場でもあります。逆も言えますが。

 

さて、では具体的な治療の流れを見ていきましょう。

(1)患者さんがうつぶせの状態で、部分麻酔注射を後頭部の毛髪採取部にうつ。

(2)円筒の刃物で後頭部中央付近の毛をくりぬいてとっていき、終わったらその部位に軟膏・ガーゼを貼る。

(3)とった毛を冷やして保存する(マグロのように鮮度がかなり大事になります)。

(4)とった毛から余分な脂肪を除去する。

(5)患者さんが仰向けの状態で、生え際等の毛の薄い部位に局所麻酔注射をうつ。

(6)ニードル式植毛器にスリムになった毛を差し込む。

(7)生え際等の毛の薄い部位にニードル式植毛器を刺し、後頭部の毛を植えていく。

(8)後頭部だけガーゼで覆われたまま帰宅する。

 

下記に手術手順の写真を示します。1回で数時間はかかります。

術前(写真中央の皮膚が透けて見える部分を気にされていたようです。)

後頭部の毛をとる部分(必要最低限だけ毛を短く切ります。)

術者は拡大鏡をつけて見ながら、後頭部の毛を円筒の刃物でくり抜いています。

とった毛をすぐ冷却器の上に置きます。

その後一部の毛を木の板の上におき余分な脂肪を除去し、形を整えています。毛はずっと冷やしっぱなしです。海でとったマグロのように、とってから最後まで鮮度が大事です。

ニードル式植毛器に細くした毛の束を装填しています。

ニードル式植毛器で毛を頭の髪の薄い部分に植えています。

手術直後の移植部です。赤くなっている部位です。

手術翌日の植毛部位です。当初予定していた植える形に赤いぽつぽつができました。そこに毛が入っています。

同じく手術翌日の後頭部です。毛をとった部位です。

 

この少量植毛はFUE(follicular unit extraction)という植毛法に入ります。このFUEは、一般的にはFUT(follicular unit transplantation)という方法と比べ、少量植毛向きの方法と言えます。

二つの違いをおおまかに言いますと毛の取り方の違いで、FUEは毛を採取する際に円筒の刃物で一毛穴一毛穴くりぬく方法で、FUTは皮膚を大きく舟形に切って、それを毛髪の小さな塊の単位に分割する方法です。

 

さて、少量でも植毛は手術ですから患者さんから見ればかなり抵抗はあると思います。

少量植毛は、人にばれることを避けたい方や、日々お忙しい方、小範囲の毛を確実に増やしたい方、薬が効きにくい方に向いていると思います。

この治療に興味をお持ちの方は、私奥野までご相談ください。現在写真をHP・学術活動等に使わせていただくモニター患者さんも募集しております(料金を割引かせていただきます)。気軽に話だけでも結構です。